第64回日本アレルギー学会学術大会

会長挨拶

 過去四半世紀25年間、年に2回春と秋に開催されていた日本アレルギー学会学術大会は2015年より年一回となります。その最初の大会である第64回学術大会は「21世紀のアレルギー診療のGold Standard をめざして」というテーマのもとに、2015年5月26日(火曜日)から28日(木曜日)までの3日間、グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールで開催されます。

 25年前のアレルギー疾患に対する治療としてマスト細胞脱顆粒抑制作用をもつ抗アレルギー薬が広く使用され、食物アレルギーの診断は血液検査で行われ、厳しい食事制限が行われていました。その後、様々な臨床研究成果が蓄積され、局所性のステロイド薬を中心とした喘息や皮膚炎のガイドラインが普及していき、喘息死亡率や入院数は著しく減少しました。日本アレルギー学会の諸先輩の努力に心より敬意を表します。しかし、エビデンスは多様性のあるアレルギー疾患の治療成績を統計的に処理して得られる確率論ですので、当然ですが、恩恵を受けない方々も存在します。予防法が確立されていないため、アレルゲンの感作率やアレルギー疾患の発症率も年々増加しています。「21世紀のアレルギー診療のGold Standard をめざして」の21世紀のアレルギー診療とはこれから25年くらい先の21世紀中頃のアレルギー診療の意味です。今のガイドライン(欧米の環境下での白人に対するエビデンスが中心です)で恩恵を受けない方々のために何をすべきか、21世紀中頃の日本国民の多くが花粉症から免れるために何をすべきか、などの課題を一緒に考えたいと思います。

 2012年に、若い世代の医師や研究者のための学会にしたいということを強調して、大会長に選出していただきました。21世紀中頃のアレルギー診療や研究のリーダーになる皆さんに積極的に参加していただきたいと願っています。そのために一般演題と特別プログラムの重複を避け、優秀演題をミニシンポジウム形式で選出します。日本社会全体として少子化や団塊の世代の引退時期もあり、明るい展望の話題が少ないように見えますが、実は、年々確実に進歩していることもたくさんあります。たとえば、アレルギー疾患の治療法のみならず、基礎・臨床問わず様々な研究手法も年々確実に進歩しています。アレルゲン感作率100%とも予測される将来の日本国民の健康福祉のために皆さまが果たすべき課題はたくさんあります。第64回アレルギー学会学術大会は皆さまが、その課題を解決するためにあります。どうぞ、奮って参加いただき、一緒に活発に討議することにより、大会を実りあるものにしていきましょう。

第64回日本アレルギー学会学術大会 会長
斎藤 博久(国立成育医療研究センター研究所)

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